最終更新日 2024年4月14日 by kurasi
UNICEFとは
UNICEFとは、国連の補助機関のひとつで、正式には国際連合自動基金という名称を持ちます。
1946年に設立されました。
設立当時は世界大戦の直後で、世界の各所で子供の生活環境が劣悪で、十分な食料、衛生環境、医療が行き渡らず、生活する力を持たない子供が犠牲になる事例が非常に多かったため、これを救済するために設立されました。
その後、世界経済の発展に伴い、現在先進国となっている地域ではほぼその活動の必要がなくなりましたが、今度は経済発展が遅れた地域で貧困によって子供が安全に生きられない状況が問題視され、その改善、救済のために活動の主目的を変化させました。
現在もすべての子供の命と権利を守ることを目的として、190の国と地域で活動を行っています。
主な活動は衛生、医療の改善、治安の悪い地域における暴力からの子供の保護、エイズの蔓延防止などになります。
活動基金はすべて個人、国、企業からの募金や任意拠出金でまかなわれています。
任意の募金だけで活動を行っているのは、そもそも利益を目的とした投資が成立する活動ではないことが理由ですが、特定の国や団体の意向に左右されることのないようにするための措置でもあります。
わずかな額で世界で困窮する子供の救済に参加できる
個人からの募金も貴重な資金源ですので、募金を依頼された経験のある方は多いのではないでしょうか。
あくまで任意の募金ですが、生活の余裕のある方は、わずかな額でも良いので募金されることは世界で困窮する子供の救済に参加できるため、意義のあることといえるでしょう。
一番力を入れているのは、困窮する子供たちへの現地支援ですが、最近ではアドボカシー活動と呼ばれることにも力を入れています。
アドボカシー活動とは、元は「唱道」を意味する単語で、日本では「政策提言」や「権利の譲渡」という意味で使われているようです。
具体的には、世界各国の問題を解決するための方策を考案し、各国政府に実施を働きかけています。
先進国では戦乱や貧困による問題はほとんど起きていなくても、子供の性的搾取などの問題が発生しており、これを根絶するには、物資や人員による救済を中心とする貧困対策とは異なる活動指針が必要になります。
このようなはっきりと表面化しにくい問題に対しては、政府や企業に働きかけることで、問題意識を高め、社会全体で改善を目指す仕組みづくりが不可欠です。
そのため、各国の政府や省庁に働きかけて、国ごと、地域ごとに対応策の実施を後押しする必要があります。
これらの活動を総称したものがアドボカシー活動です。
日本発の活動もさまざまに行われている
近年ではインターネットの発展に伴い、児童ポルノ画像が国境を越えて拡散する事態も頻発しており、これを防ぐには政府が主導して問題となる画像のブロック、削除などのフィルタリングを通信業者に義務付けることが必要で、発信者が特定できた場合は訴追することも必要です。
そのため、子供の性的搾取の実態を調査、各事案に対応するだけでなく、政治的な取り組みを促す広報、陳情も重要となっています。
日本発の活動もさまざまに行われています。
災害が頻発する国土である日本は、近年でも地震や津波による深刻な被害を経験しています。
災害で家族を失う子供も少なくなく、生活の支援だけでなく、就学や精神的ショックからの回復を助けるケアの重要性を社会が経験しており、この経験情報を整理して各国に共有する努力が今も続けられています。
特に子供が精神的に受けた傷をどうすれば和らげることができるのか、家族を失ったり生活環境が激変した場合に子供の精神にどのような問題が生じる可能性があるのかという、経験を基にした情報は、日本各地だけでなく、世界で活用されています。
経済が発展して貧困が解決できたとしても、社会の形態が変化したとき、そこには常に新しい問題が生じるものですが、そのとき一番犠牲となるのは力の弱い子供です。
子供がどのような搾取を受けているのかを積極的に知る
UNICEFは子供の救済を行うため、社会の変化によって生まれた新たな子供の危機を発見し、そこに対応し続けることが求められています。
特に世界の経済が連結されることで、これまでにないほどの速度で政治や生活環境が激変する地域もあり、その活動が追いついていない部分も出てきています。
しかし、日本ユニセフと聞けばかなりの人が子供のために活動する機関であることを今は知っています。
そして、子供がどのような搾取を受けているのか、情報の発信によって個人も知ることができるようになり、自発的に募金を行うこともできる体制まで整うようになりました。
同じように世界各地でその活動の重要性が認知されるほどに、その活動理念は広まっていき、苦しんでいる子供が少しずつでも援助を受けられるようになってきています。
活動を支えるため理念に共鳴する若者が参加を続けていることもあり、UNICEFは今後も活動の幅を広げながら、複雑化する問題に対応を続けていくことでしょう。
私たちは折に触れてその内容を注視する時間を持つことが大切になっています。