最終更新日 2024年4月14日 by kurasi
アトックスは、原子力関連施設に関するさまざまな事業を手掛けている日本の企業です。
その具体的な事業内容は、原子力関連施設の運営にあたって安全性を確保するために欠かすことのできない原子力発電所の保守管理はもちろんのこと、原子燃料リサイクル施設関連事業、放射性廃棄物処理など非常に多岐にわたります。
また、原子力発電所だけでなく、放射性物質を長年取り扱ってきた本企業だからこそのノウハウを活かし、病院や研究所などでのRI研究施設やPET治験薬製造のサポートやメンテナンスも全面的に請け負っています。
つまり、アトックスは魅力的でありながら常に危険が伴う放射性物質力の恩恵をできるだけ安全に享受できる環境提供に確かな技術とノウハウをもって貢献している企業と言えます。
アトックスの沿革と歴史
そんなアトックスは、創業当時は現在とは違う事業をメインとしていました。
創業当時メインとしていたのは、ビル清掃であり、その後もさまざまな商号にその名称を変えつつも基本的に総合ビルメンテナンス会社としてその営業を続けながら順調に成長を続けます。
そのような中、1953年の創業時から一貫して行ってきた総合ビルメンテナンス事業に加えて、原子力関連作業部を1967年に設置することでその在り方は大きく変わりました。
そしてその後は、民間企業初の日本各地の原子力施設内に事業所を開設するなどその事業の幅を積極的に広げていきます。
その結果として、創業時の事業はビル清掃でありながら原子力施設にまつわるメンテナンス技術のトップランナーとして確かな地位を築きあげていくことになりました。
そして、1980年にはもともとのメインであった総合ビルメンテナンス事業から原子力部門が分離し、ひとつの企業として独立するに至ります。
その後、1993年に商号が現在と同じ「株式会社アトックス」に改め、その道のプロとして多くの原子力関連施設や関連技術のサポートやメンテナンス事業を通して世の中に貢献し続けている存在です。
日本全国に技術開発センターや技能訓練センターを持つ
また、日本全国に技術開発センターや技能訓練センターをもち、北海道から九州に至る全国各地に作業所を構えています。
そしてそのそれぞれの作業所が地域の電力会社や大学、研究機関、地方自治体、民間企業と取引を行っています。
そんな本企業を語る上で忘れてならないのが2011年に発生した東日本大震災における復興への貢献です。
震災発生直後から、長年原子力施設にまつわるメンテナンスを手掛けてきた本企業だからこそのノウハウを活かし、汚染水処理や放射線管理業務などへの従事や、周辺地域の除染活動にも積極的に参加してきた実績を誇ります。
実際に震災が発生した3月11日直後の4月には「福島復興本部」を開設し、さらにその翌年には「福島統括事業所」に組織変更を行い、2014年には「福島復興支社」までも設立。
このアトックス福島復興支社では、その名の通り東日本大震災からの復興を最優先課題と掲げており、その課題設定はもはや本企業全体の企業目標とも言うべくほど、優先視してその課題解決に取り組んでいます。
アトックスが積極的に福島で取り組んでいる廃炉工事
そんな本企業の意気込みは、実際に資源エネルギー庁のプロジェクトの一環として福島第一原子力発電所の廃止措置プロジェクトに参加していることからも証明されていると言えるでしょう。
なお、そんな本企業が積極的に福島で取り組んでいる廃炉工事は、汚染水を貯めているフランジ型のタンクを解体すべく、タンク汚染水を移送したり被覆材の回収と清掃業務などを行っています。
さらに、その際には屋内の線量をできるだけ低減することを目的とした汚染活動も並行して行っています。
また、単に汚染水を移送するだけでなく、そこに含まれる危険性の高い物質であるセシウムやストロンチウムの濃度を下げる取り組みとして、吸着装置や多核種除去設備などの設置や運転、保守管理、その運用に必要な薬品の供給や付帯設備の保守も責任をもって行っている点も本企業の魅力です。
さらに、それら作業を行う人に放射線による健康被害が生じることが内容防護措置にも責任をもって本企業は取り組んでいます。
定期的な放射線測定などを欠かさず行うことにより、安心してその作業が行える環境づくりにもぬかりはありません。
そのほかにも地域全体の復興に貢献すべく福島県内の汚染処理施設や除染工事などの施設における放射線管理や、対策地区内の廃棄物処理などにも積極的に参画しています。
まとめ
このようにアトックスは、原子力発電所の保守管理や放射性物質関連業務に長年の実績がある確かな技術を誇る企業です。
そして、その技術を活かして企業全体の最優先課題として東日本大震災で被った福島の復興活動を掲げています。
東日本大震災により深い傷を負った福島がしっかりと復興すべく、本企業は被災者の気持ちに寄り添った復興活動にも尽力しています。
そのため、これまで同様この先も、国内はもちろん海外の機関と技術協力を積極的に行い、誰もが安心して暮らせる福島を取り戻す未来づくりへの大きな貢献が期待されます。